第236回 見る楽しみ

自分の趣味の一つに将棋がある。とはいっても実際に指すのではなく見る方が好きなのである。特に毎週日曜に放映されているNHKの将棋番組は必ず見ている。直近では10年間ほど毎週見続けている。

将棋は子供の頃に父からおしえてもらった。家には将棋盤と囲碁盤があり両方教えてはもらったものの個人的には将棋の駒の動きが面白く、またルールが囲碁よりも分かりやすかったため将棋の方にのめりこんでしまった。

中学生の時には学校に将棋部があれば入りたかったが、残念ながら中学、高校と学校にはなかったため断念した。その時からも毎週日曜の将棋番組はみていたが、就職してからは時間がなくなってきたこともありだんだん疎遠になっていた。

時がたって少し時間に余裕がでてきてからは今度はビデオに録画して休みの日に見るようになって今に至っているのである。

今ではコンピューター相手に将棋のアプリを使って対戦相手がいなくても一人で将棋を楽しむことができるが、自分は一度やり始めてしまうと永遠にやり続けてしまい、負けてしまうとムキになってしまって翌日の明け方くらいまでやり続けてしまったことがあった。これでは生活リズムが崩れると思ってそれ以来は指すのをいっさい止めて週一回の将棋の対局を観るだけにしている。

観るだけの将棋ファンを「観る将」と呼んでいるが、自分はまさにこの「観る将」にあたるわけである。見てて面白いのはプロが指す一手一手が先の先まで考え抜いた読みの中から選ばれた最善手を選択しているという点である。

素人の自分が観ていてもプロの指す一手の意味が分からないので、解説者の説明もあわせて聞いているのだが、それが数手先の様々な変化を読み込んだ末に指されたものであることを知りその読みの奥深さに驚かせられることが多々ある。それが観ていて面白いのである。

また長年観ているとテレビにでてくるたいていの有名な棋士は顔と名前が一致するようになった。そういった様々な棋士の方々の得意戦法や性格、人柄も知っていくのも楽しい。自分の一週間のささやかな楽しみの一つである。

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