第81回 不信

先日歯医者さんに定期検診に行ってきた。1月と7月の年に2回歯のクリーニングと虫歯等の確認治療のためである。

これまでは年明け1月の年に1回であったが昨年から早期発見、早期治療をモットーに年に2回に切り替えた。これまでの年に1回の時にはたいていどこかに虫歯があり1年に1回は治療を受けていたが、半年にしてからは、前回からの期間が短かったこともあり虫歯はなかった。

そのため今回もおそらく虫歯はないであろうと思って検診を受けたが、運がよいのか悪いのか、結果として今回は虫歯があった。

実際は前回治療した箇所が再び虫歯になっていたということである。歯と歯の間の細かい箇所の磨き方が悪いという指摘もあり指導を受けた。幸い大事にはいたらず2回の通院で再び完治した。もし今回検診に行かずに半年後に行くことになっていたらおそらくさらに悪化した状態になっていたということを考えると、今回検診を受けて虫歯を早期発見、早期治療できたことは結果的にラッキーであった。

さて話は変わるが、先日から大手中古車販売店の保険金不正問題がニュースになって世間を騒がせている。実際に修理依頼があった箇所以外にも新たに傷をけて不正に保険金を請求するということが常態化されていたという。

先ほどの歯医者さんで虫歯の治療を受けている最中、口を開けながら、もし何ともない正常な歯を何らかの異常があるといった理由をつけられて削られでもしたらどうしよう、一瞬ふとそんなことが頭の中をよぎった。(もちろんその分、治療費は高く請求される)

大手中古車販売会社の修理部門の責任者である工場長は少しでも売り上げをあげなければならないとうノルマに追われていたという。今回の歯医者さんは個人医院で自分の子供の頃から通っていて先生の人柄もよく知っているので信頼ももててそんなことは決してないと確信しているのであるが、自分の大切な体の一部を修理してもらうことを考えると、当たり前のことであるが自分が信用できるところにしか行きたくはない。

不正をした中古車販売店にはおそらく多くの人が自分の大切な車を預けたいとは思わないであろう。例えていえば、初めての店に入るにはいささかの勇気がいる。それはその店のことを自分が知らないという不安からくる。つまりは安心できないものには何をされるか分からないといった心理が働いているのであろう。

逆にそのお店が自分が好きになって通いつめていくには何らかの理由がある。それはそのお店が自分にとって信頼できるかどうかではないだろうか。それは一回だけのものではなく何度か通っていくうちに身につき感じられそれが信用となっていく。

信用を得るには時間がかかるが信用を失うのは一瞬である。今回改めてそう思った。

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