第76回 地震とAI

つい最近、自分の住んでいる地域で地震があった。幸い被害はなかったが、地震で周りが揺れる直前に携帯に緊急地震速報が鳴った。

一瞬なにごとからと思ったが、その警報の直後に大きな揺れを感じた。本当に揺れたのだ。地震の伝わる波のスピードよりもそれを伝える電波のスピードが速く、震源から先に出た揺れの波を追い越して自分の携帯に伝えてくれたのだ。

昔、学校での授業で地震のP波とS波について習ったが緊急地震速報を伝える電波はこれら2つの波をさらに追い越したものだ。自分の子供の頃にはなかったこのシステムのおかげで揺れが来るわずがな間に事前に備えることができるのがとても大きい。

例えば、はしごに登って作業をしていたら揺れが来る前に降りることができれば転倒を防げるし、電車を運転中の場合は停まることにより脱線を防げる。もっとも子供の頃に学校で行なっていた避難訓練の一環である机の下に隠れるといったことは揺れが来る前にできるわけだから地震に対する対応は当然早くなり大惨事を未然に防ぐことはいくらかは可能になってくる。

思えばテクノロジーの進化は早く、今ではAIに質問を投げかけると瞬時に答を返してくれる。また文章や音楽も作成してくれる。人間の以上の能力をもったAIの力を借りるのはよいが完全に頼りきってしまうのは逆に自分たちの能力が劣化してしまう。

例えば天気予報、今では正確でほとんど外れることはないが昔は当たったりそうではなかったりしたものだ。その日の空模様や湿度などの肌間隔から傘が必要かそうでないかを判断した。

またカーナビにしてもたまに判断を誤ることがある。この方角は間違っている、おかしいと思うこともある。そういう時はカーナビの示す方向を無視して正しい方角へ進路変更すると後から訂正される。

なんでもかんでも機械やAIの示すものは全て正しいと思い込むのは危険である。参考にはするが妄信しすぎることには注意をしたい。AIではないが最近は一般個人の投稿や配信があったりもする。最終的に判断するのは自分自身であるため、はっきりとして自分のものさしをもっておきたい。

つい数年前にも老後2000万円問題が物議を醸しだした。よくよく考えればだれでも2000万円が必要だとは限らない。本当にそうなのか、自分の場合はどうなのかといったことはしっかりと自分自身で判断しなければならない。何も考えずに言われたり、示されたものをそのまま何も考えず受け取ることはとても危険なことであると思う。

最後に、携帯に緊急地震速報が鳴らなかったので今揺れているのは地震ではなくまわりの振動だ。と暗に思っていたら本当の地震だった。というこもありかもしれない。携帯に完全に頼り切っていたらもし何らかのミスや誤作動、不所持といった場合には全くの無防備状態であるということを付け加えておきたい。そもそも昔はそんな便利なシステムはなかったのだから過度の過信は禁物である。

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