今回も新聞にでていたコラム記事を読んでいて表現がウマいと感じたものについて紹介したい。
題名にある通り、昔のコーヒーのCMといえば缶コーヒーで、仕事に疲れた時に一息入れる場面を想定しているものが多かった。特に男性の俳優さんがでており、頑張っているというか困難なことに立ち向かっている途中に一息入れる、そういったCMが平成の頃にはよく目にしていたように思う。
ところが令和になった最近のCMでは、どちらからといえば頑張らなくてもいいというかありのまま、自然体の姿でいいんだよといった内容のものが多くなっている傾向があるということである。コーヒーもカップにフタのついたタイプになっており、女性の俳優さんを起用しているものが目立つという。
これには時代の変化により、頑張ること、努力することが美徳とされていた風潮から、無理をせずに自分にあった、自分らしさを発揮することが大切であるという流れになってきているといえる。
著者によれば、昔よりも今の方がどちらかといえば甘い、ゆるい感覚がするということや、人生を歩んでいれば頑張らなければならない時期もあるのにその時はこんな風潮に染まっていたのでは、かえって努力しなければならない時には大変なことになるだろうと警鐘を鳴らしていた。
確かに、昔は「24時間戦えますか」といったCMがあるくらいで、24時間働くことに何の疑問も感じなかった時代なのに、今ではそれがブラック企業といったように悪の代名詞になる時代であるということをふと思った。
自分の会社でも昔は有給休暇はあってなかったようなもので、自分の場合も結婚した後の新婚旅行に行った時くらいしか有休を使ったことはなく、その時に初めて有休といったものがあるということを知ったくらいである。今ではもちろん最低年に5回は会社が従業員に取らせる義務が法律で定められており、今では多くの従業員がこれまでになかった有休の恩恵を味わっているのである。
確かに昔に比べて世間は優しくなったと感じることは自分も感じているし、人生には頑張らなくてはならない時期もあるといった筆者の考えには自分も賛同する。ハラスメントを恐れる風潮の中で、叱咤激励する言葉はできれば避けたいと思われているためか、このことはなかなか難しい問題だと思う。
昔はブラック企業とホワイト企業との2種類であったが、今ではそこにやりがいまでも含めたプラチナ企業といった言葉も存在しており社会に対してに企業の見方も昔と全然違ってきているのである。
最後にこのコラムのしめの部分で、今のコーヒーは甘いミルク入りのものが主力商品でCMの中では「私のままでいい」というフレーズがあるという。確かにミルクは優しい味がするわけで、丁寧に育てられた若者が厳しい世の中で生きるにあたって、ミルク味はきっと「ママの味」として人々を守る役割を果たしているに違いないと書かれいて思わず「うまい!」とうなってしまったのである。
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