先日、自分の父親の誕生日のお祝いとして焼肉を一緒に食べに行った。もちろん焼肉と一緒にビールも注文するわけであるが、そこのお店ではいつも生ビールやお酒を食事の後半に無料でサービスとして持ってきてくれる。お客さんである自分たちにとってはなんともありがたいサービスだといつも感じていた。
そのことでふと気づいたことがある。サービスされたビールはこちらがお金を払わなくてもいいので残しても別にこちらが損をすることはないのだが、でも出されたからには残してしまうのはちょっともったいないという心理が働く。そこで注文した肉は全て食べ終ってしまっていてビールだけが少し残っている状況になる。なのでせっかくビールがあるのだからと思ってさらに肉を追加で注文してしまうのである。
話は変わって、自分が毎週いつも行くコーヒーショップではコーヒーはお代わり自由である。そのためもあってかずいぶん前から自分の行きつけの店になっている。そこではドーナツも販売されており、いつもはコーヒーとドーナツの組み合わせで最初に注文している。
たいていはその両方を食べ終った頃にコーヒーのお代わりはいかがでしょうか。といつも店員さんが継ぎ足しにきてくれるが、コーヒーだけあったのでは寂しく、さらにドーナツも追加注文してしまう。もしくはおかわりを見越して最初からドーナツも多めに注文しておくこともしている。そのことをその食事の席でふと思った。
つまりおかわりというサービスはお客さん側からするともう一杯無料で飲めるいいサービスだが、お店側からするとさらにもう一品追加していただくためのしたたかな戦略ではないかとも思ったわけである。
「ただより高い物はないはない」とよくいうが、なるほどそう考えてみるとお客さんの心理をとらえたなかなかうまい作戦だなと感じた。
最初に書いた自分が行った焼き肉店は夫婦でやっている個人店なので、生ビールのサービスは本当の真心からのサービスであり追加を期待するといったことは微塵にも感じられなかったことをことわっておきたい。
ただ人間の心理的な面に関しては、何かされたらお返しをしたくなるといったことや、気持ちよくお金をを払っていただくということをうまくとらえた仕掛けだなと感じて商売上なんらかの参考になるのではないかと思い今回書いてみた次第である。今回の発見が何かに活かせれば幸いである。
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