第17回 自営業者と会社員

自分が子供の頃は家の近所はみな商売やさんであった。両隣の家は本屋さん、牛乳やさんであったし、さらにいけばお米さんや豆腐屋さん、魚さん、タバコ屋さん、もちろんうどんそばや丼ものをだす食べ物屋さんもあった。かくいう自分の家も傘屋さんであった。

しかし時代の流れとともに個人商店のお店はどんどんと減っていき、今では自分の家でおこなっていた商売も含めて近所に残っているお店は一軒もないといったのが現状である。

これは時代の流れにもよるであろうが、自分の祖父祖母の時代には個人商店が個人の稼ぎの主流であったように思う。そして自分の父母の世代は会社での働きが主なものへと移行していった。やはり個人でやるビジネスよりかは多くの人や資金を伴って行なうビジネスの方がより大きい規模で商売ができるし多くのものが動くことにより流通、経費の面からも効率がよく、それが価格の面からでも消費者に還元され、収入の面からも安定して年々増額されることにより個人よりも会社組織で行なうビジネスがメインとなってきたのであると考えられる。

しかし今では逆に会社から離れて個人でビジネスを行なうスタイルに少なからず戻ってきている人が増えたのではないか。つまり会社にいて年々賃金が上がるという保証は今の時代はなく、会社が10年後や50年後も残っている保証もない。そして停滞気味の会社が今後伸びていくためには個人に成長してもらわなければならなく、そのためにはこれまでになかった幅広い視点からものごとをとらえられる能力を身につける必要があり、そのために自分の会社以外での副業を認めて自分自身をアップデートしていくといった社会全体の流れがあるのである。

また現代はインターネットやスマホの発達により以前に比べて個人で稼ぐことがやりやすくなってきたという面もある。それには動画、YouTubeによる個人の発信といったものが一例にあげられるし、ある本では今はこれらの機器の発達により独学といった学習にも役立つことから今の世は学習天国だといったものまであった。つまりはこれまで会社組織にいなければできなかったことが個人でもできるようになったといえるし、このことが会社員から個人でもビジネスを始めようと思っている人が増えている理由なのではないか。

かくいう私も個人で企業してみたい思いはあるが、自分自身がやれることで収益をあげれるものはまだないといったところが現状である。最近ではよく人気ユーチューバーが出版した本を本屋でみかけることが多くなったが、昔は本をだすのはどこかの有名企業の社長とか学者などで一個人が本を出版することなんて作家でもないかぎりできないと思っていた。そう考えると一般の自分でもその可能性は全くないとは言い切れなく、自分もできれば自分の本を出版してみたいという思いはないこともないというのが本音である。また個人としての勉強としては今の世の中の恩恵を享受して使える機能をうまく利用して独学で簿記3級の資格をとろうと学習している最中でもある。

まとめてみれば、これからは個人の考え方ややりようによっては個人での独立開業はハードルが下がっており昔よりかはやりやすくはなっているように思う。独立開業はさすがに無理としてもこれまでのように会社の中だけでのコミュニティから幅広く自分の可能性を広げてみたいと思っている今日この頃である。

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