ここ数日にわたって稲森和夫氏の著書「京セラフィロソフィ」の内容について記してきたが、稲森氏は京セラとは全く関係ない電気通信事業である第二電電を立ち上げたり、みなさんがご存じのように日本航空の再建を成功させたりと、もともとの事業とは畑違いの分野にまで進出して成功されている。それは「京セラフィロソフィ」があったからだと言われている。
もともと稲森氏は大学ではセラミックの研究を専門としていたわけではなく、セラミックは会社に入ってから人一倍努力して勉強したと語っている。もともと持っていない、身につけていないものでも地道な努力を積み重ねることで道は開けるという。これは昨日までに取り上げてきた「人間の無限の可能性を信じる」ということにつながってくる。
つまり本書からの言葉を引用すれば「心がすべての根源であり、種子であって、そこから木が育っていくように、あらゆることが生じていった」というようにまずは自分の心の持ちよう、考え方が大切なのではないかと思う。
もともとフィロソフィとは哲学という意味である。ここではものごとの根源、考え方がまず人生の基盤にあって、それに基づいてものごとを考えていく。航空業界とは全く関係のない企業の会長さんがいきなり破綻した日本航空にやってきて立て直しができるのかと多くの人に思われたそうであるが、稲森氏自身、人生やものごとの考え方、フィロソフィに基づいて経営を行なってうまくいけば、それが正しいことの証明にもなるとおっしゃっていた。実際に日本航空のフィロソフィであるJALフィロソフィもつくりあげたという。日本航空再建の根底にあったのは日本航空で働く従業員の心の部分、考え方を改めたことが最も大きいのではないかと思った。
自分自身これを読んで心の部分が最も大切でピラミッドの中でも一番底辺にくる土台の部分であると思った。物事に取り組む考え方を生き方の根底に据えることで自分の人生が開けてくるのだともと思った。本書全般を通して人間として何が正しいことかといったことや、心を高めることを中心に書かれていたが、どれも一見当たり前と思うことでもそこに真理があると感じた。よくよくかみしめてみると深い言葉だなと感じた。
自分もこれからも繰り返し毎日少しづつこの本を読み進め、人間として大切なことを忘れないよう日々自分に戒めていきたいと思う。
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