今回はテレビ番組の「ガイアの夜明け」をみて心に響いた内容であったため、思ったことを記していきたい。
内容は近年、社会課題にもなった空き家の問題と、特に地方の過疎地に多いシャッター商店街の活性化についてである。
どれも大手ではなく、元不動産会社で働いていた従業員が、働いている中で問題だな、見過ごされがちである課題に向き合い、それを自らの手で解決したいと思い独立して取り組んでいる姿を密着取材したものである。
たいていの商店街はかつてほどのにぎわいがなくさびれた状態になっている。そこで使われなくなった空きスペースを昔の趣をのこしたまま改装して素泊まりできるホテルにしたり、食事や大浴場はその商店街にもともとある飲食店や銭湯を使ってもらったりする方法で活気を取り戻そうとしている。
また宿泊者はその商店街で様々な特典やサービスを受けられる待遇も取り入れている。例えば老舗のお菓子屋さんで菓子作りの体験ができたり、鋳物体験をして自分で作った食器を持って帰ることもできるのである。
こうした商店街のお店の特徴を活かした取り組みを通して、商店街全体で外からの新たなお客様を取り込もうといった活動、プロデュースをしているのである。
観ていていろいろな取り組みをしている中で面白かったのは、富山県高岡市でのシャッター商店街活性化のものである。商店街にかつてのにぎわいを取り戻すため、宿泊者の旅行プランの一環として、朝に船に乗って釣りをして自分の釣った魚をその商店街の居酒屋さんでさばいてもらって、それを食べることができるといったプランである。さらに同じ商店街の中にある昆布〆のお店で食べきれない分を保存のきく昆布〆にしてもらいお土産として持って帰ることもできるというものだ。
自分はなるほどこれは地域の特性をうまく活かしているな、またお客様も海に面した日本海の富山湾で実際に自分が釣った魚を食べられるなんて、しかもお土産にもできるなんて嬉しいと感じるだろうと思った。さらに地域の実情や特徴にあったワクワクする体験を通して、実際にその地方ならではの良さを感じることができる、街にあったものを創りあげることによって地域の活性化につながり周りの人から喜ばれる、そういった相互間の幸せに貢献できる事業を創り上げてる数々の取り組みに心ふるわされた。
テレビを観ていてこれらのことを取り組む事業を立ち上げた方は、もとはどこでもかんでも建てられる場所にジャンジャン建物を建てていたが、このことに疑問を持ったそうである。その土地には何が合うのか地域の環境をみて建てることが大切であり、それが本来の街づくりであるということに気づいたという。また眠っている不動産を使って街に明かりを灯す、付加価値をつけて再生するところにやりがいを感じるということである。
さらに自分たちがやりたい店舗で単純に活性化するだけではなく、住民の人たちに喜ばれるものでもあらなくてならない、街にあったものを創らないと周りの人には喜ばれないとも語っており、地域を活性化させる場所をつくるのにはとても奥が深いなと感じた。
しかしどれも共通しているのはさびれる商店街をなんとかしたいという思いであり、商店街はその地域にしかないもので歴史あるものが残っている。そこを上手く引き出していけばその地にあったものに生まれ変わらせる可能性があるということにはとても共感できて番組を面白くみることができたのである。
最後に自分が感じたことは、困っていることを解決することが本来の社会課題解決であり、それはこれまで当たり前と思われていたことで、うすうす感じてはいるが誰も何もしてこなかったことでもある。それに正面から向き合ってこれまでになかったやり方で新しく創り上げていく過程が心に響いたのだと思った。
コメント