第36回 バネ

よく言われていることであるが、金魚や熱帯魚を輸送する際、一緒に天敵である魚を一匹入れておくとよいという。理由はもし入れなければ到着時にはほぼ全滅しているそうである。しかし入れておくと敵に食べられたくないという緊張感が生まれ、魚が活性化してほとんど生きているそうである。

人間も同様で、ある程度のストレスは自分を成長させることにつながる。ありふれた日常の延長線ではほとんど変化がなくマンネリ化してだらけきってしまうことが多いが、新しい課題に挑戦したり、難題にぶつかったりするとそこからどう解決しようかと考えたり、工夫したりすることでその人のスキルが上がったり精神的に強くなったりする。

これは仕事においても同じで、ある程度できる、こなせるようになってきたらさらに一つ上の仕事を割り振り本人のレベルアップを促すのである。挑戦することによりもちろん本人のスキルの向上やモチベーション、取り組む意識の向上、組織全体の生産性のアップなど進化してけるのである。

よく会社などにある人事異動というのはその典型的で、今ある部署から別の部署にかわることで人間関係が変わりこれまでに出会わなかった人に出会えたり、これまでにない新しい視点をもったり新たな考え方を吸収できたりする。よく慣れたところがいいので異動はしたくないと言ったりする人がいるが環境が変わるのは当然誰にとってもいささかのストレスがあるものである。しかし今あげた例にもあるように前向きにとらえれば自分自身にとってもプラスになることが多いのである。

異動がない前提の場合はやはりその人の成長を考慮した仕事の割り振りを上司は与えることが大切である。もちろん本人のキャパを超えるような理由や意味のないものは論外であるが、常に組織の目的に照らし合わせてその人の役割りを計画的に割り振っていくことが重要である。

トランポリンを創造してほしいが、力を入れて下にへこんだ分、その反動で逆に上に大きく飛ぶ。その力が弱ければ上に上がる力も弱い。もし困難や新しい課題に直面した際にはその分、自分が大きく成長する機会、チャンスが与えられたと思って気持ちを切り替えてみてはどうだろうか。

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