第219回 鉄五郎

今回は自分が寝る前にベットの上で毎日読んでいる本について、自分が好きな箇所を切り取って取り上げていきたい。

もう何回読んだが忘れたが、自分が好きな本の一つに稲森和夫著「京セラフィロソフィ」がある。これを毎日一節づつ、だいたい平均2~3ページづつ読んでいるわけであるが、昨日夜に読んだ箇所が土俵の真ん中で相撲をとるの箇所の一節で稲森青年の大学生時代のエピソードについて書かれた部分である。

内容としては当時勉強ばかりしていた稲森青年に同級生がパチンコへ行こうと誘った場面から始まり、最初はパチンコなどやったことがない稲森青年は断り切れずにいやいや付き合っていたのだが、3回目くらいに誘われた時に誘ってくれた相手から、そのパチンコに勝ったお金で食事をごちそうになることになる。その時に得た気づきについて述べられていた箇所である。

一般的にその部分だけをきけば、パチンコに勝った人がその分け前でおごってあげたというただよくある話であるが、稲森青年にとっては、勉強ばかりしていた自分に対して少しは息抜きの仕方や遊びを教えようと自分のお金をだしてくれてくれ、また自分が勝った時にはそれを独り占めせずに(その時に一緒にいた鉄五郎も含めて)みんなにふるまってくれたこと。それに引き換えせっかく誘ってくれてお金までだしてもらったのに最初の1~2回すぐに負けてしまって相手より先に帰ってしまった自分はなんと器の小さな人間なんだ。逆に最初は少し見下していた相手がとてもふところの広い大きい人間にみえてしまった。といった感想を述べられていた。

その部分が自分の好きなエピソードに一つで稲森青年の謙虚な、人間的にも素直に尊敬できる箇所である。自分も同じようなことがあれば実際にそのように思えるかどうかは分からないが、この話を読んでとても共感ができたので今回紹介してみたくなったのである。

ふだん生活をしていて何気ないことに気づけ感謝の気持ちを持てるか、自分にとっては人生を歩んでいく上でとても大切なことだったとも思っている。

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