第151回 考えるきっかけ

自分の勤務するお店では開店から約一時間だけボリュームがあって割安でお得なランチを販売することになった。案の定、販売した初日からその時間はいつもより多くのお客様がご来店し、いつも以上の忙しさがあった。

店内の平日のスタッフ数と忙しさのある週末の土日のスタッフ数とはその人員数は当然違うわけで、それにより平日と土日とではオペレーションのやり方も異なるわけであるが、今回はいつもの平日で週末並みのお客様が来店され店内はいつもとは違いとてもバタついた。

これからはこれまでのような平日の運営スタイルではせっかくご来店されたお客様に迷惑がかかってしまうために何か対策を考えなくてはならない。

人員数を増やすにしても、これまでスタッフの休みは忙しい週末を省いた平日にとっている。いつものスタッフ以外に出勤できる人はいないため、スタッフを増やすことは従業員の休日がなくなることになってしまう。

それ以外の対策では事前にそのランチので出数を予測してあらかじめ準備していく方法である。またそのためにはいつもよりは早めに出勤してもらう人もでてくるがこれが現実的である。

他店でも一部そのような方法をとりいれるところもあったが、このやり方に対して本部から一度見直すようにとの指令がでた。

ただ単に何でも早めに作っておくというのは時間経過とともに商品の劣化につながるし、第一にできたての商品をお客様に召し上がっていただくという本来の仕事からかけ離れたことになってしまう。その前に何かできることはないか、しっかり考えなくてはならないということである。

例えば注文されると分かっている商品の食材をあらかじめまとめておき、注文が入ったら手早く作れるようにしておく。また使用する食器等もすぐに盛り付けられるようにすぐに手の届く範囲にまとめておいておく。薬味その他のものも同様にしておく。また食材を一人前づつのポーションに小分けしておく方法も提供時間を早めるのには有効だ。またスタッフもホール、厨房と別れていたものをお互いに手の少し空いている時間はお互いの作業のフォローに入るなどの人員の配置割り当ても工夫すれば提供を早められることにつながる。

こういったこともできると思うとただ単にオーダーされる前に早く作って準備しておくといった考えがいかに安易な考えであることが分かり自分自身反省した。本部から一度見直しを言われたことにより大切なことに気づかされた。

最後に経営の神様と言われた松下幸之助氏の言葉に触れたい。たしか逆境もよし、順境もまたよしといいたような言葉があったと思う。順境では今の仕事を改善しようと思っても状況に甘んじていてなかなか実行できない。しかし不況といった会社にとっての逆境が訪れると否が応でも現状の改善を求められる。この改善をうまくできてこそ、今後好景気である順境が訪れた時にこれまでの改善が効果を発揮してこれまでになかった大きな利益をだすことができるということである。

自分も今回のできごとを改善をやらざるを得ない逆境と捉えて、これを正しく改善して今後の発展、成長につなげていきたと思った。

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