第133回 好きなことと得意なこと

学生時代の話になるが、履歴書に趣味の欄と特技の欄があって、どう違うのかが分からずに困ったことはないか。今の履歴書はそういったスタイルになっているかここ数十年間は見たことはないが、少なくとも自分がまだ若かった頃はそうであった。

自分は高校時代は進学校でクラスのほぼ全員が大学へ進学するという環境であった。高校では例えば歴史は日本史、世界史といったように自分で学びたい教科を選択することができる。自分は文系であったので歴史は迷うことなく日本史を選んだ。基本的には計算よりも暗記系が得意なので日本史と世界史とでは自分は世界よりも日本の歴史に興味があったし、またテストでも世界史だと西洋の人物名がカタカナで覚えにくいといったこともあったからだ。これは興味関心がある好きなことと得意なことである特技が一致した例である。

しかしここでその両方が必ずしも一致しない問題に遭遇する。理科の選択科目である。理科は物理、化学、生物、地学の4種類があり高校1年生ではそれらをまんべんなく学ぶのであるが、2年生になると理系と文系にクラスが分かれる。理系はたいてい物理、化学の選択が一般的であったが、文系の自分にとっては計算が必須の応用問題がでる物理、化学は大の苦手ではじめから選択の対象外であった。自分にとって残るは生物か地学かである。当時の高校では地学の選択がなく物理、化学、生物の3択であるところもあった。自分の高校は地学も選択でき恵まれていたが、もし地学が選べなかったら迷わず生物を選んでいたと思う。

自分としては生物、地学どちらとも興味あるが、どちらかといえば宇宙の神秘とか地球の歴史、天気といった気象現象などを学べる地学に興味があった。

しかし地学には物理に似てテストで計算が必要な応用問題もあり自分はその分野においてはテストの点数はあまり高くはなく苦手意識をもっていた。一方で生物は地学に比べて点数は高く、覚えたことがそのまま反映されるので自分としては得意分野であったと思う。

しかし受験では生物か地学か一つしか選択することができない。また授業も1つだけの選択になる。興味がある方をとるか、高い点数が獲れる方をとるか、おおいに迷ったが自分がだした答えは興味がある地学の選択だった。

理由はやはり興味関心がある方が学ぶ意識が高く、点数はとれないかもしれないが未知の世界を知ることにワクワクしたからである。また生物も生き物の体内のこととかを学べるので面白いとは思うが、当時は地学の方に魅力があったので、もし今後も関心があれば受験が終わって学んでも遅くはないとも思ったからである。また自分はたまたま地学を選べる学校にいるのでせっかくならその機会も活かしたかったという思いもあった。

今になって思えば、やはり今でも興味関心は地学の分野の方にあるので、好きな教科を学校の授業で学ぶことができたといった意味では当時の高校生の自分の選択はよかったかなと思う。ただし受験での当時のセンター試験ではいい点が取れなかったが。

好きなことと得意なことの結論になるが、この2つは必ずしも一致はしないと思う。仕事でも必ずしも好きなことを仕事にすることはできないし、もし仮にそれができればそれが確実に一番いい選択肢であると思う。しかし当時の自分ではないが、すごく興味関心のある方の仕事よりも、ある程度好きで自分にとって得意な方を仕事にした方が自分にはあっていることもある。この両者に優劣をつけることはできないが、好きなことは趣味で、特技は仕事で社会に貢献できる方がいいのではないか。この考えは将来に変わるかもしれないが今の現時点では漠然とそのように考えているのである。

とはいうもののもし履歴書の欄をうめなければならないとなると、今の自分ならなんて書くのだろう。「趣味は読書、特技は・・・」などと無難なことを書いてしまいそうだ。履歴書だとその仕事に関係あることを特技に書くのかな~(採用されやすいように)

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