第244回 大人の対応

以前に「ハンサムとイケメンとの違い」について新聞のコラム欄に書かれていた記事を紹介したことがあったが、今回も同じくその方が書いた記事について紹介したい。

ざっくりいうと「大人」といった言葉のとらえ方が昔に比べてすこし変わってきたという内容である。

「大人」の反対の言葉として使われるのは「子供」。子供っぽいみたいに少し稚拙な感じでマイナスな意味として使われることがこれまで多かった。

「大人の対応」というとなんとなく小さなことにも目くじらをたてずに騒動をおこさずに毅然とふるまい穏便すますといった行動をイメージする。何か不快なことを言われたとしても大人の対応をとったといえば、ムキになって反論したりせずに丸くおさめたといったニューアンスが伝わってくる。

しかしこのような使われた方をした「大人」でも近年は「大人女子」という言い方が流行ったりした。年齢は大人だけど若い感覚をもった女性のことをいう。また「大人かわいい」という言い方もあり、言葉自体に子供と若者、そして大人の世界が混在した、地続きになっていることがうかがわれる。

これには飲食店のメニューでも大人の「お子様ランチ」というメニューが存在していることからもいえる。一般的なお子様ランチの分量を大人向きにして、おまけのおもちゃやデザートを除外したメニューである。

ここからいえることは大人なのにこんなものを食べてしまってといった羞恥心はなく、大人だって子供にかえりたい時はあるといったことを許容している空気が感じられる。自分が子供の頃の昭和の時代では大人がお子様ランチを注文して食べていたら大人としての未熟さを感じさせたり、揶揄されていただろう。

同じく漫画というものについても、昔は大人が電車内で漫画を読んでいる光景をみたら精神年齢はまた子供だなという見方であったが、今では漫画は日本が誇る文化であり、それに詳しい大人の方がイケてるといった感覚すらあるということである。

これは今は寿命が延びて人生百年時代になり、いつまでも若い気持ちを持っていいた方が生き生きと暮らすことができるため、変わってきているのではないかといわれている。

最後に冒頭の「大人の対応」といったところに戻るが、今の時代ではこの言葉の意味も先ほどあげたものとは違ってくるものになるのではないかと筆者は述べられていた。

これを一通り読み終え、なかなか面白い視点だなと思って紹介した。前回と同じく昭和と今の時代の言葉の使われ方の違い、微妙なニューアンスの差に触れているところがよかった。

最後の「大人の対応」の今の時代における自分なりの答えとしては、これまで使われていたような「何もなかったように済ます」といったことではなく、ウィットの利いたジョークで返す、とか皮肉をこめて面白おかしく笑顔で返すといったような「ユーモアのある掛け合いをイメージした対応」が思いついたがいかがであろうか。

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