第209回 河村瑞賢に学ぶ

このコラムは日々起こった出来事を前向きな視点でとらえたものというのがコンセプトのため、先日のNHKで放映されていた知恵泉という番組を観て感じたことを書いていきたい。

この番組はだいたいテーマによるが自分がだいたい毎週見ている番組で、理由は自分が歴史が好きなこと。あとこれまでの歴史番組と違っていて、過去の歴史上の人物を現代活躍している多方面のプロフェッショナルの方の視点からみて、現代に生きる私たちに学べる点をフランクに話し合っていくといった流れになっているのが斬新だからだ。

今回は江戸時代に海運業の整備に取り組んだ河村瑞賢がテーマであった。とはいってもとてもマイナーな人物でたいていの方は知らないのではないだろうか。自分も学校の授業で東回り航路、西回り航路を開拓した人ということくらいしか知らなかった。おそらく民放番組で取り上げたら知名度の低さから視聴率はとれないと思われるためどこも取り上げれれないテーマであったと思う。

今回、番組を観て学んだことが二つあった。一つは物事の先を見通す目が大切であるということ。当時起こった震災の後に建物を立て直すため材木が売れると読んだ河村瑞賢は多くの商人が買いに来る前に先に材木を購入する手続きをふんだ。全ての材木を買うお金は持ち合わせてはいなかったが、後から必ず購入者が殺到すると読んで自分が予約した材木には誰のものか分かるように自分の印を刻んでおいて、後からの購入者には自分を介して購入するという知恵をあみだした。

これは需要と供給の関係で現代にも通じるものがある。多くの人が望むものを読み取って人よりも早く準備対応するビジネスの基本である。

あともう一つは、当時は斬新な考え方であったと思うが、働く労働者の安全を第一に考えたということである。当時は積み荷が一番大切で、もし江戸に運ぶ物資に損害があればそれを運ぶ人に責任を負わされ処罰されつ風潮があった。

ところが河村瑞賢は安全に物資を運ぶにはそれを輸送する人の安全を確保することが一番大切で、当時危険がつきものだった航海をできるだけ安全にしようと立ち寄る港の数を増やしたり、船は頑丈な紀州の船を使う。乗組員も航海に慣れた人材を使うなどあれこれと工夫をした。また幕府にも入港税をとらないなどの要求をのませた。さらに海路と陸路を併用する航路を、途中で積み荷を乗せ換える手間がかかるということで遠回りではあるが海路一本にするという航路に変更したところ、以前に比べて航海日数が減って早く届くようになったということである。

今では働き手である従業員を大切にするということは当たり前のことであるが、当時、いい仕事をするにはその仕事に携わる人を大切にするということに気づき当時の風潮を改善した河村瑞賢には先見の明があったと思う。

この番組を観て、現代に生きる私たちにも大切なことを学べとても勉強になった。江戸時代であっても現代と同じで働く上での考え方や商売の基本は同じなんだなと感じた。

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