先日、大相撲で小結の大の里が優勝した。その取り組み前に師匠から「優勝しても喜ぶな」とアドバイスを受けたという。
まるで優勝が決まっているかの言葉に気が楽になったと大の里はいう。
同じく師匠である稀勢の里も現役時代、連勝記録を更新し続ける白鵬との取り組み前に師匠から「勝ってもガッツポーズはするな」と言葉をかけられた。
結果、白鵬の連勝記録をストップさせた。
こういったアドバイスに自分自身にとってはとても斬新で目から鱗であった。
これまでだったら「緊張するな、自分の相撲をとることに集中しろ」といったような言葉をかけるの普通であっただろう。
しかし今回のアドバイスはすでに取り組みは終わっていて勝っているといった前提である。
これまでの言葉のようにアドバイスをすると、どうしても言われた方はその通りにしようとしてプレッシャーがかかる。しかし今回のような言い方だと、弟子のことを信頼しきっていることが伝わり、言われた方も期待に応えたいという気持ちになってくる。なかなかうまい言い回しである。
自分も社会生活を営んでいて、ここぞといった場面でアドバイスや励ましの声かけをする場面がこれからあると思うが、今回師匠である稀勢の里が自分の大一番で師匠からかけられた言葉を弟子にかけて恩を回したように、自分も相手を信じる言葉をかけていきたいと今回のインタビュー記事を読んで思ったのである。
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