数日前に稲森和夫氏のことを書かせてもらったが、今回もそれに関したことを書いていきたい。
稲森氏の著書「心」の冒頭の部分で心に留まった箇所がある。「いかなる災難もそれをそれを引き寄せる心があるからこそ起こってくる。自分の心が呼ばないものは、何ひとつ近づいてくることはない」という言葉である。
稲森氏が小学生の頃、当時は結核という病気が猛威をふるっており稲森氏の親戚もそれで亡くなられたこともあって、実家に一緒に住んでいる稲森氏の叔父が結核にかかった時などは感染することを極度に恐れ、近くを通る時には鼻をつまんでいたという。一方、その叔父を看病していた稲森氏の父や兄は感染することを恐れず懸命に看病しており、感染することに関しても、そんなにたやすくうつるものではないだろうと気にもとめていなかったという。
結果、そんな父や兄は感染することなく、少年時代の稲森氏だけが肺結核の初期症状にかかったという。それで冒頭のその言葉に戻るが、病を恐れ、忌み嫌い、避けようとしていた稲森少年だけが病気を呼び寄せてしまったのだと本の中で述懐されていた。少し精神論になるかもしれないが、全ては「心」がつくりだしているということである。
これはふつうに考えてみれば、そばにいて看病していた父や兄が感染する可能性が大きいといえるのに逆に避けていた稲森氏が感染してしまうというのは科学では証明できない不思議なことである。しかし心の持ち方ひとつ、覚悟があるかないかの精神的な面が違っており、ここが大きな分かれ目ではなかったのではないかと自分は思う。
自分自身のことになるが、自分は仕事中はマスクをつけていない。もちろんマスクの着用は任意なのでつけてもつけなくてもよく個人の判断にゆだねられる。しかし以前にも書いたように、自分は数年前の年末の繁忙期に高熱がでて仕事を早退して周りに迷惑をかけたことがある。そのため二度とそういったことを起こさないよう、年末前にワクチンの予防接種を受けるなど感染対策に万全をつくしてのぞんでいるのである。
だから精神上は、あれから毎年年末にはしっかり予防対策をしているのだからそう簡単には感染しないといった自負が心の中にあるのだと思う。だからあれ以来、今のところは年末年始には風邪をひいて熱が出たということはないのである。
ふと、本に書かれていた稲森氏の言葉を思い出した時に今の自分の心境と少し重なった部分があったので今回書いてみたわけである。やはり自分の心の中にあるもの、強い信念や決意といったものが大きいと感じた。今後もこういった心の持ち方を大切にしたいと思っている。
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